獣の気配がした。熊か?ヒロミは息を潜め、ひっそりと気配のする方へ目をやった。夜目が聞くほど器用じゃあない。必死に熊に出くわした時の対処法を模索する。死んだフリ?少林拳?静かに退却する?どちみち気弱な性故に実行できそうにはなかった。心臓が早鐘をうち、五感が敏感になる。(そんな…!)囲まれている―獣は一匹ではなかったというわけだ。それもたくさん。野犬だろうか?都市部から捨てられた犬が野生化してしまい問題に...
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