2018/11/29

自作小説の大まかな話の流れ投稿【たぬき】その3

吉夢を売る魔法使いのヒロミが主人公の小説です。


 脳内のファンタジーな想像上の怪物が一気に凶暴性を帯びた気がした。
「ネズミに噛まれてボケた人がいるってさっき言ったでしょ?襲われた人達はなんだか…気が抜けたような、ボケちゃったみたいになるの。魂が抜けちゃったみたいに。」
 姉は被害者をみたのだろう。気味悪そうに腕をさすった。
「あっちはどんな奇術を使ったのかわからないけれど、私ら呪術師にも検討がつかないんだよ。古来のまじないなのか、それとも魔物の所業なのか。ただ魔法免許は持ってるらしくてね。上のヤツらは腰を上げやしない。」
 魔法使い言わば古風な呼び方ならば呪術師は上層組織に許可されなければ魔法は使えない。どういう仕組みなのかは不明であるけれど、登録されていなければ即座に「無免許の魔法使い」は逮捕される。何を持って名簿に登録されるのか、はたまた認知されるのかヒロミは全くの無知であった。
 祖父も忌々しそうに「お上」へ毒づくし、もしかしたら魔法使いを束ねているのは人智を超えた者たちなのかもしれない。 
「ですが、登録名簿に記載されている術師であり、尚且つあだ名がつけられているのですよね?すぐに見つかっても」
「隠れるのがうまいやつなんだ。街の人にも僕らにも姿が定まらない。雲隠れ才蔵だよ。」
「は、はあ。」
 だから帰りは送っていくよ。寺の跡取り息子は心配そうに言った。
「そ、そんな!悪いですよっ!私、もう大人ですし!一人で帰れますっ!」
 咄嗟に飛び出た言葉を恨めしく思う。


つづく
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