いぬかん☆サイト

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自作小説の大まかな話の流れ投稿【エセ推理小説】18 

主人公塔婆ユウが推理できないのにインチキな推理をしようとする小説です。
流血や不愉快な台詞があるかもしれません🙇


 薄明かりがテーブルを照らしている。ランタン特有の柔らかい色だ。
人がいる。ユウは自らの勘へ感謝した。コマはここにいる。
「コマ。いる?」
 古めかしい室内で微かなみじろぎがあった。食器を重ねる音と布ずれがし、ランタンが宙に浮いた。
「はい…何でしょうか。夜食ならすぐに…。」
 幸薄そうな相貌の家政婦、コマ。彼女は夕食を作り終えたと言うのにまだ食堂にいた。突如訪ねてきた客人に怯えた素振りで駆けつける。
「夜食じゃないわ。少し聞きたいことがあるの。お時間あるかしら。」
「は、はい。なんなりと。」
「それにしても…あなた一人で家事をこなしているの?大変じゃない?他に家政婦や、庭師などはいないの?」
「ええ。現在この館で働いているのはわたくし一人です。それに…館も大した規模でないので。」
 確かに他の邸宅より小柄で移動はし易い。部屋数は多いけれど。
 現在は、と彼女は言った。かつて摩耗邸には数人のメイドや庭師などがいたのかもしれない。やはり…。
「それにしても、気の毒としかいいようがないわ。よりによって第一発見者になるなんて。けど…恐れ入る。それでも仕事をこなしているんですもの。」
 すると彼女は俯きつつも「こうでもしていないと、気が狂いそうですから。」と零した。
「さっきナズミさんたちから聞いたのだけど、自殺した婦人がいるようね。あなたは知ってる?」
「じ、自殺した使用人?」
 雷に打たれた如く家政婦は声を裏返した。
「いません…そんな、かた。」もじもじとソバージュをいじくる。嘘だ。
「いるんでしょ?」
「…。はい。その通りでございます…。ですが、使用人ではございません。宮美という夫人の…親族の者でした。その宮美さまというお方は摩耗一族の親戚の友人であるとある資産家の未亡人でして、全てを失い、知人の頼りで旦那様とご結婚されました。その親族の人は時たま使用人として働いておりましたが…摩耗家の籍に入っていたとお聞きしております…。」
焦りから一転しょぼくれる。
「自殺の理由は、三善ってやつがその宮美さんの親戚をいじめとおしたから?」
「…とんでもございません。それはわたくしどもも理解しかねます。」
「そう…。」
「三善さまは、さびしい方でした…。わたくしは、よく知っております。あの方が人を、い、いじめるようなことは…。」
「じゃあ、誰かと一緒になってやったってこと?」
 取り乱しているのは一目瞭然だ。この女性は嘘をつくのが苦手なんだろう。コマが宮美婦人について何か重要な事実を存じているのに―もどかしさに苛ついてしまう。
「わ、わたくしには…わかりかねますっ!」
 ユウの苛つきが伝わったのか彼女は見境なしにドアを閉めてしまった。危うく挟まれそうになり飛び退くもコマを逃した後悔が遅ってくる。
「なんなのよっ!」


つづく。

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