いぬかん☆サイト

妖怪と狼に熱のいぬかんのサイトです。 主に一次創作イラストを掲示しています。今は神使とか式神に執着してます。 どうぞなにとぞよろしくです。一次創作に関してはカテゴリから、『漫画』を見ればなんとなくわかります。 投稿が多く見づらくてすみません。

自作小説の大まかな話の流れ投稿(エセ推理もの)② 

前回に引き続き投稿。

「はあ…あの三善ってひと、気が抜けないわね。」
「私は全員怖いです…。」
「愛も?」
 こくりと頷いて馬場は散らかったテーブルを片付ける。
「僕には…わ、わざと無知なフリをしているように見えるんです…。彼女、い、い異常ですよ…。」
 挙動不審にどもりながらつぶやくと、非から逃れるようにカーテンを締めた。
「汚いですよね…。人を端から…。」
「ま、反対に人を疑わないのもどうかしてる。三善がカマトトって言ったことからして、可愛こぶりっ子が彼女の処世術なんだと思う。そういう子はどこにもいるもんよ。」
「そうですよね…。」
 寂しげな気色で馬場は言う。対して自身もこの子と変わらないのであった。
(なに年長ぶってるんだろ...。笑っちゃう。)
 自嘲の念が沸き起こりため息がもれる。馬場は文豪の孫の虫の居所が悪いのかと身を固めているけれど―まったくめんどくさいものだ。
 人の心は表面上でしか推測できない。
「寝る。すごく疲れた。あなたは…地面にでも寝たら?」
「ひどい…うたた寝しちゃっただけじゃないですか…。」
「うたた寝?大いびきかいてたじゃない。」
「えっ?!」

 ソファを独り占めするのもいいものだ。横臥し瞼を閉じる。雨音、風の唸り、遠くでわだかまる雷鳴。そして馬場の悪態。視界がなくなるだけで神経が空中を漂う全ての音を察知する。眠れるんだろうか?少し生乾きの髪と乾いた唇。体はヘトヘトだった。
(明日起きたら晴れてるのかな?それともまだ雨が降ってたりして。お祖父様の具合が悪化しなければいいけど…。明日になったら…。)

 雨が止み、外は眩いほどの晴天である。ユウは気分が空のように晴れ晴れし、あのうるさいだけの嵐が過ぎ去ったことを確信した。
 ああ、なんて悪い夢だったんだろ。
 伸びをして子供部屋を出る。(冷静に考えると変な夢だったなあ…。)
 時計のない館、不穏な一族たち。不甲斐ない付き人の馬場。ユウにとっては不快でしかない登場人物であった。

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