2017/05/05

自作小説を書けたところまで投稿。

廃れたビルがある。麗羅はこのビルに馴染みがあった。遥か昔妖獣人が教えてくれた夕日の絶景ポイントである。その妖獣人が今何をしているかは謎だけれど、暇になればここに出向き町並みを見つめる。暇つぶしの拠点であった。
階段を登り屋上に行くと焼け付いたコンクリートと錆つく手すり、あとは汚れた貯水タンク。なんの変哲もない屋上である。
霞んだ山のシルエットと遠巻きに佇むビル群。晴れ渡った昼間の柔らかな風が誰もいない空間を漂っていく。麗羅は暴れる髪を押さえつけ、無心にかえる。
でまかせであんなことを提案したけれど。
暇つぶしにはなれたろうか。
怪獣映画とか、エイリアン襲来とか、終末ゾンビモノだとか、人類はへんてこな妄想が好きだ。きっとこの世が終わる恐怖に興味があるのだろう。
もちろん麗羅だってへんてこりんな妄想はするし、大好物である。
「もう満足したでしょう?今日ははねやすめだと思って明日から頑張りましょう!」
「やだねーっ。」
魚子は何回信用を落とす気なんだろう?いや、信用など彼女にとって無意味なポイントなのだ。だから自分が不利になる仕事を押し付けられても否定せずのこのこと麗羅の元に来る。
「もしクビにされたら、どうする気なの?」
「バイトとか、もしくは実家に帰るとか…なんですか?私がクビになるとでも?!」
お荷物なのはお互い承知の助である。
「いっそのことクビになっちゃおうよ。」
「は?本気で言ってるんですか?」
信じ難いとバイヤーは眉をあからさまに潜めた。
「あたしたち、有りもしないものを探して、無意味だと思わない?」
「それはあなたが提案したのでしょう?」
「いや。私は提案してない。ずっと前から、この職を始めた瞬間から探してる。」淡々と話す彼女の意図が読めなかった。悪い冗談なのか、それとも。
「仕事だから、しょうがないです。それに」
再び彼女につきまとう噂が過ぎる。―魔女。絶滅危惧種となった職業。現代の世知辛い夜の中でマジナイの影響力は薄れて、残骸だけが現存しているのだと言い聞かされていた。
UMAが"生息"するのと同等に、ジャパニーズ魔法使いは表舞台から姿を消しつつある。得体の知れない生業を部外者が知り得ることすらお門違いなのかもしれないけれど。
あなたには違う生活があるのでしょ?
そう言いかけて口をつぐんだ。
有りもしないもののはずである彼女がなにを言わんとしているのか。…魚子は思考を停止した。
「もぅ。どうしたんですかぁ?アンニュイになったりして、具合悪いんですか〜?」
わざとおちゃらけて、流れを変えようとした。
「ここ。私のお気に入りの場所なんだ。」
「へええ、初耳でした。」

つづく

(;-ω-)ウーンナンダロ……
朝早くおはようございます٩(*´꒳`*)۶
頭が退化しているいぬかんです。
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